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 当運営ブログの目玉である夏祭り通信が次々とアップされていますが、こちらは関係者のご協力なくして掲載ありえないものですので、あらためてこちらで感謝の言葉を書かさせていただきます。
 ご協力ありがとうございます、ありがとうございましたm(_ _)m

 あと、本日より本家の交流用掲示板に夏祭り通信を掲載されている方と私は別人です。交流用掲示板のほうに記事をアップする仕事を私のほうから懇願して、手伝ってもらってます。
 おかげで少し心のゆとりができて、夏祭り用の執筆が進み始めました。どうにか私も参加者として参加できるようこれから頑張りたいですね。
 私と同じく、まだ作品ができていない方は、最後まで諦めることなく、ともにがんばっていきましょう!


 最後に、タイトルにありますように報告。
 8月8日(土)~8月11日(火)のあいだ、主催者はネットの使えない僻地へいかなくてはならないので更新がストップします。
 11日の夜には帰ってくると思いますが、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 それではこれで、失礼いたしました。
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 タイトル:『初祭りの思い出(誤字じゃないです)』
 寄稿:たちばなさん(夏祭り企画2008年度総合優勝者)


 祭り? なにそれ、おいしいの?
 というのが、去年の夏祭りまでの認識でした。

 そもそも、締め切りという器に盛りつけなければならないお祭りは、とうに私の調理できる範囲から外れていました。
 並はずれた遅筆人間なもので。
 並はずれた、遅筆人間なもので!(大切なことなので二度言いました)

 GW企画? なんだか分からないけど楽しそうですねー。
 巨大ロボット企画? なんだか分からないけどすごいなー。
 SF企画? なんだか分からないけど、難しそうだなー。

 当然、祭りでは完全に傍観者。去年も、六月初め頃から投稿室に投下予定の作品を書き始めていました。
 そうこうしているうちに月日は流れ、世間では、もといラ研では、みなさんの期待の元に夏祭りのお題発表となりました。
 へぇーお題かー。
 キーワードを文章の中に組み込むなんて、私にできる技ではありません。
 みんな楽しそうでいいなぁなどと思いながら、何気なく見たお題のページ。

 あれー、お題の『幽霊』、ここにあるじゃん(と手元の小説を見る)。
 ええっとそれじゃ、この『ぷりちー』使えないかな?
 ぐりぐりとぷりちーを押し込んで、お題発表の時点で半分ほどできあがっていた作品を、そのまま勢いで仕上げさせてもらいました。

 こうして作り上げたのが『つくも神様』、夏祭り作品なのです。
 みなさん、ごめんなさい。

 はい、確かにこんなにお手軽にお題をはめ込んだ作品なので、お題に関するみなさんの評価は最低でした。それはごもっともです。
 今でも、勝因は投稿のタイミングと枚数にあるのではと思っております。
 しかし、たくさんの方に感想を頂き、何人かの方に作品を面白いと言って戴いたことは自分にとってとても励みになりました。
 たくさんの方に面白いと言ってもらうことが、ラ研で書く上での自分の最大の目標だったりしますので。

 ただ、このあと遅筆の私にとって感想返しというプチ地獄が。
 (自慢じゃないですけど、読むのも遅いのですorz)
 20作品ほど書かせて戴いたでしょうか?
 終わらない、いつまで経っても終わらない。
 秋風がひゅるりと吹き始める頃まで、廃墟のような祭り会場の跡地を一人でさまよっておりました。
 (心の中も秋風が吹きまくり)
 いや、いい加減こんなタイミングでは感想をもらう方だって迷惑なのでは? と思いつつ。

 しかしこの感想返し、なかなか侮れない代物です。
 私は、感想を一つ仕上げるにもけっこう時間がかかってしまうので、投稿室での感想投下はどうしても知り合いの方に偏ってしまうのです。
 でも、夏祭りで面識のない方を含めいろいろな方から感想を戴き、感想返しで普段は読まないであろう作品を読む良い機会になりました。
 これが、勉強になるのですよ~。
 流し読みでは気づかない良いものが、どの作品にもぎゅっと詰まっていたりして。
 たくさん感想をもらってラッキー。
 ビバ感想返し!

 申し訳ありません、話が逸れました。
 今年も、夏祭りにはたくさんの方が作品を投下されるのではないかと思います。
 これを読んで参加者が増えると嬉しいのですが……。
 (こんなんで優勝できるの? じゃあ自分だって!……みたいな)
 みなさん、ぜひ頑張ってくださいね。

 えっ、私ですか?
 かっ感想で参加させてもらいます! 執筆は間に合わないので。
 (去年みたいなラッキーが何度もあるわけないじゃないですかっ!)
 

【遊弟より】
今後の夏祭り通信ですが、本家の交流用掲示板にアップされたものを、ブログ用に修正して(余裕があれば)こちらに掲載されます。
こちらとあちら、アップする人は別々ですが、どうぞよろしくお願いいたします。(◇)人(∵)


● ○ ● ○ ● ○


◇夏祭り企画2009
 公式HP http://kikaku.obunko.com/index.html
 執筆期間 7月13日(月)~8月12日(水)
 投稿期間 8月13日(木)~8月17日(月)
 批評期間 8月13日(木)~8月22日(土)


 夏祭り企画2009の開始まで、あと一週間ほどとなり、作品は順調に仕上がってきたころでしょか? それとも、まだまだこれからとラストスパートをかけているころでしょうか? 今年も、そんな皆さんを応援するために『夏祭り通信』を交流用掲示板にて掲載させていただきます。

 本年度の夏祭り通信は以下の内容でお届けいたします――


 1)夏祭り企画2008年度総合優勝者
  たちばなさん 「初祭りの思い出」
  2009年8月5日(水)アップ済

 2)夏祭り企画2008年度中間報告感想数トップ
  兵藤晴佳さん 「夏はこんなラノベが読みたい」
  2009年8月6日(木)アップ予定

 3)夏祭り企画2008年度副主催
  mayaさん 「ハローサマー・グッドバイ」
  2009年8月8日(土)アップ予定

 4)夏祭り企画2008年度書記
  夜凪さん 「夏祭りの思い出」
  2009年8月9日(日)アップ予定

 5)夏祭り企画2008年度イケメンボイス☆ゲリララジオDJ
  雪野新月さん「やめてください。今は東方緋想天で持ちキャラをより強くすることで忙しいのです」
  2009年8月10日(月)アップ予定

 6)夏祭り企画2008年度感想制覇者
   龍咲烈哉さん 「感想制覇の思い出」
   2009年8月11日(火)アップ予定


 よろしくお願いします!


※夏祭り企画2008年度主催だったソーメン・エモンさんは連絡がつかず、それと昨年、龍咲烈哉さんと同様、感想制覇を果たした亜寺幌栖さん、河田友二郎さんはご多忙につき、原稿をいただくことはできませんでした。ご了承ください。
 

【夏祭り通信2009 Vol.04】kuroさんと遊弟さんの思い出

 こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。
 今回は、2006年度夏祭り企画の主催者を務めた、kuroさん、それから2007年度の遊弟さんに当時の思い出を語っていただきました(原稿中の注記はこちらで記載したものです。 ※『夏祭り通信2008』より転載)。


 ―――


【kuroさん:『主催をして知ったこと、考えたこと』】

 おはようございます。このたび夏祭り通信にてお話する機会をいただきました。
 申し訳ありませんが、少しだけ皆様のお時間を頂戴いたします。

 キッカケ

「ごめんなさい――ではじまり、ありがとう――でおわる」

 この言葉からなにを連想されるでしょうか?
 私は2005年春にライトノベル作法研究所で催されたGW企画のお題が思い浮かびます。
 当時の私は小説を書いてみたいと思い始めた頃で、ネットで“書き方”を調べていました。その時にライトノベル作法研究所を見つけ、そしてGW企画の告知を目にしたのです。
 企画概要を読み終えた時には“参加してみたい”という気持ちが芽生えていました。自分の作品を誰かに見てもらいたいという欲求を叶えるには絶好の機会だったからです。
 もしかしたら「別に企画じゃなくても普通に鍛錬所(当時名称:お気軽投稿室)に投稿したら良いんじゃないの?」と思う方がいるかもしれません。しかし初心者かつ新参者の私にとっては「お題/締切り/匿名投稿」のあるGW企画はとても魅力的に映ったのです。
 いえ、もっと単純にお祭りごとに惹かれたのです。

 結果としては企画に参加することは出来ませんでした。
 作品も間に合わず、何作か読むも感想は書けずじまいでした。
 その後、お気軽投稿室に完成させたお題作品を投稿し感想をいただきました。既知の友人ではない大勢の人の目に触れる喜びを知りました。縁あってその時に感想をくれた方と交流をとり、ひとりまたひとりと輪が広がっていきました。
 参加は出来ませんでしたが、GW企画があったからこそ作品を書き、それを読んでくれた人と出会え、そして今があるのだと感謝しています。


 2006年春。交流掲示板で「GWや夏祭りのような企画を定期的にやったらどうか?」といった趣旨のスレッドが立ちました。
 それを読んで私は強く反感を覚えました。なんて無責任な意見なんだろうと思いました(注記1)。
 それとは逆に「いちユーザーである自分でもやれるのか?」という考えが浮びました。
 ライトノベル作法研究所には大変お世話になっていましたし、感想への作者レスぶっちぎりとかしてユーザーさんに迷惑をかけていた後ろめたさもあり、なんらかの形で役に立てないかと思ったのです。
 幸い前年のクリスマスにかざとさんが主催をされていたこと、小規模の企画もいくつか行われていたこともあり、概要を作りうっぴーさんに申請してみました。快い承諾をいただけました。

 思いのほかの反響がありました。
 祭りに期待をしてくださる方がいました。作品を投稿してくださる方がいました。感想をつけてくださる方がいました。有志で運営を手伝ってくださる方がいました。


 そして2008年夏。四度目の夏祭りが行われます。
 はからずともユーザーの手によって定期的に開催されるようになりました。
 でも、これはずっと変わらず続くものではありません。次回の開催が約束されたものではないのです。だから、もし参加を迷ってる方がいらっしゃるのでしたら、せっかくの機会を棒に振るのは勿体無いですよ? 作品を介しての交流はチャットや掲示板とは趣が違います。さらに匿名投稿となれば尚更です。新規ユーザーもヘビーユーザー訳隔てなく作品を発表できる場所というのは早々ありませんから。
 また、主催をやってみようかなぁと考えてる方がいらっしゃるのでしたら、是非チャレンジしてみませんか?  過去の通例にこだわる必要なんてありません。貴方のやりたい方法で祭りを演出してみてください。責任は伴いますが、きっと良い経験になると思いますよ。


 それでは長々と拙い話にお付き合いいただきありがとうございました。
 夏祭りが、皆様のなんらかのキッカケとなったなら良いなぁ。


 注記1)当時は企画などを立ち上げる場合、うっぴーさんの手をなるべく煩わさず、独力で具体的に行えるだけの内容を提案しないものは単なる他人任せの空論だという雰囲気がありました。kuroさんの憤りはおそらく、その部分から由来します。


 ―――


【遊弟さん:『今だからこそ語る――、祭りのあんなこと、こんなこと』】

1)主催者を引き受けることになったきっかけ

 前任のkuroさんが多忙で主催者を続けるのが困難だという話になって「それなら私がやりましょうか」と気でも狂ったのか言ってしまったのがそもそもの始まりです(笑)。
 すでに祭りの形は出来上がっていて、kuroさんのお手伝いもしていたということもあって、祭りの音頭をとるのにそれほど苦労はありませんでした。

2)祭りをどう運営していこうとしたのか

 kuroさんから引き継いだとき、多少祭りがマンネリ化してきているかなー、と感じていました。
 最初の頃に感じた皆さんの熱気といいますか、そういうのがあまり見られない気がしまして。
 なので、kuroさんが主催をしていたものの細かい部分を変えたりして、試行錯誤してみました。
 その結果不評な祭り(?)もありましたが、それはそれで皆さんには楽しんでもらえたのではないかなー、と前向きに(笑)。

 イベントは惰性で続くようになったら終わりだと考えていたので、どうにか波を起こそうとはしていました。
 それが良かったのか悪かったのかは私にはわかりませんが(笑)、今後の祭りを行う主催者の方の参考になればいいです――よね?

3)新しい主催者の方へ一言

 2008年の冬祭りで一線からは退かせていただきましたが、ラ研を利用している者の一人として、今回の祭りが賑わいを見せることを願っています。
 私も微力ながら、作者か感想人として祭りに参加していきたいと思います。
 それでは主催者の方々、頑張って私たちを先導してください(笑)。
 長々と失礼しましたm(_ _)m


 ―――

【mayaさん】
 まさか、遊弟さんが再度、夏祭り企画の主催者として戻ってくるとは、誰も思っていなかったと思います。本稿の最後の「新しい主催者の方へ一言」というのが、何だか不思議な感じがします。

 さて、これまで『夏祭り通信2008』の原稿を転載してきたわけですが、次回からは、やっと、2009年度版のオリジナルのものとなります。
今後のラインアップとしては――2008年度の夏祭り企画の運営スタッフのmaya、夜凪さん、2008年度総合優勝者のたちばなさん、そして、2008年度に感想制覇を果たした龍咲烈哉さん、その中間報告で感想数トップだった兵藤晴佳さん、あと、夏祭りゲリララジオをやってくださった雪野銀月さんなど、それぞれの思い出を載せていきたいと思っています。

 また、何か他にこんな特集をしてほしいというアイデアがありましたら、気兼ねなく、夏祭り企画公式HPの質問掲示板やスタッフブログのコメント欄などにご記入ください。



【遊弟】
 更新が滞ってすみません。ご心配をおかけしてすみません。
 土日関係ない仕事なので休みがほしいです。
 mayaさんからいただいたもので過去の自分を見てるとなんともいえない感慨に――って、自分の読んでないからよくわからないですね。
 今回は以上です。ではまた次回。



<<夏祭り投稿期間まで  残り13日>>

【夏祭り通信2009 Vol.03】だいきちさんとじゅんのすけさんの思い出

 こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。
 今回は、これまでの夏祭り企画で優勝をした、だいきちさん(2005年度、『抜けない針』で優勝 ※高得点作品掲載所、短編部門)、それから、じゅんのすけさん(2006年度、『嵐のち晴れ、ときどきアンドレ』で優勝 ※高得点作品掲載所、中編部門)に、それぞれ当時の思い出を伺いました(※『夏祭り通信2008』より転載)。


 ―――


【だいきちさん:『夏祭り企画でいただいたもの』】

 作品のアイディアを練っていて、練りきれていないのに「まあこんなもんでいいや」と書き出そうとしたり、いったん書き上げると早く人に見せたくて、推敲が充分でないのに「ま、いっか」と投稿しようとしたりすることがある。
 そんなとき決まって私の前に金太郎が現れる。そして馬鹿にするような口調で言うのだ。
「お前、その程度で俺に勝てるつもりか?」
 そんな言われ方をされてそのまま先へは進めない。私は顔を真っ赤にしながら再度アイディアを練り直したり、推敲し直したりすることになる。

 金太郎との出会いは三年前の夏祭り企画。
 奴の登場する「金太郎の打ち上げ花火」を読んで、私は「やられた!」と思った。
 面白いのだ。粋なアイディア、軽快な語り口がユーモラスな雰囲気を演出し、人情味あふれるストーリーは秀逸だった。これは自分には書けない、そう思った。それがくやしくてたまらなかった。
 作者のほうきんさんはとても気さくで社交的な方だった。私たちは互いのサイトに訪れるようになり、相互リンクもさせていただいた。私のサイトのバナーもつくっていただいた(ちなみに絵を描いていただいたのは巴々佐奈さんである。なんとも豪華な顔ぶれによるバナーとなった)。

 ほうきんさんとの友好的なお付き合いとは対照的に、金太郎は私の前に現れ挑発を続けた。現れるのは金太郎だけではない。他にもしゃべる冷蔵庫やちょっと浮いた女子高生など多士済々ではあったが、やはり同じ題材、同じ場所で競い合った奴の存在感は大きかった。

 負けたくない、と思う。
 奴らを黙らせる方法はただ一つ、いい作品を書くこと。少なくともその時点の自分ができる精一杯のものを。
 点数とか順位などは一過性のものでしかない。それより作品で語られたもの、見せ付けられたものはずっと残ってなかなか消えない。そういう作品を書くにはどうしたらいいのかいつも悩む。たいしたことはできないが、「ま、いっか」を一つでも減らすようにしている。その積み重ねが私の作品を成長させてくれているのだと思う。
 長く険しい執筆の道のりを歩き続けていられるのは、金太郎がそこにいて、ほうきんさんがまだ書き続けているからだ。そういう存在は何よりの宝であるし、そういう出会いをくれたあの夏の企画には大変感謝している。

 どうもありがとうございます。そして……次を見てろよ!


 というわけで、夏祭り企画の開催にあたりご依頼をいただきましたので、僭越ながら上の通り拙文を書かせていただきました。
 皆様にもそれぞれの金太郎との幸福な出会いがあることをお祈りし、開催への祝辞と参加者様への激励に代えさせていただきたいと思います。頑張ってください。


 ―――


【じゅんのすけさん:『夏祭り企画のエピソード』】

 今にして思えば、僕は壁にぶち当たっていたんだなぁ、と。その壁を乗り越えた先にも、もっともっと分厚くて高い壁があって、それを越えられずに今も四苦八苦している、というわけなんですけどね。

 まあ、今直面している壁は置いておいて。

 人にちょっと褒められていい気になって、自信をつけて、傑作と思って新人賞に送った作品が立て続けに一次選考で落ちたりしていた――当時の僕。
 そんなことがあったので、新しく取り組んだ作品が駄作に思えて仕方なくなって執筆中断する始末。執筆を途中で諦めたのは何年ぶりですかねぇ。
 という具合に、あまりいい時期じゃありませんでした。
 ていうか、もうはっきりと燻ってました。
 仕方なく別の長編を書き始めていたんですけど、これも駄作かもしれないし、ちゃんと完結させられるかわからないし、と不安でしたねぇ。

 夏企画の話が立ち上がったのは、そんな折ですね。
 よっしゃー! 祭りだ! なんて盛り上がりはそんなになくて、でも地味~にやる気出してました。
 自信喪失気味で、地に足のついてない作品を書いてしまっていたから、これはちょうどいい機会だと思ったんですね。短編を書く時間くらいはありましたし。
 書くもの見失ってるなら、自分の好きなものを書くっきゃないじゃないですか。僕の好きなものは「燃え(萌えじゃないですよ)」なんだぜっ。だからそれを書くんだぜっ。と、割り切って勢い任せで書くことに決定したわけです。

 しかしなんですね、自信喪失してるくせに妙に前向きでしたね、在りし日の僕。
 企画のお題は「幽霊」でした。
 最初はお題を捻ったり、ジャンルを工夫したり……なんてことも考えましたけどね、結局すぐ却下。
 幽霊という単語から連想する切なげなストーリーもあっさり排除。
 燃えが好き。だからそれを書く。計算も何もなくただそれだけで、話を考えました。

 お題そのまま、主人公は幽霊。燃えを書きたいから題材はスポーツ。あとは登場人物たちを熱血させてやれば僕個人が好きな物語のできあがり、のはず。
 そして書き始めると、筆が進む進む。
 遅筆は僕の最大の悩みの一つなんですけどね、そのときは新記録が出ましたよ。
 一日十枚書ければ上出来な僕が、一日で三十六枚も書いたんですから。
 おかげで、スタートから二日目にして脱稿でした。この執筆速度は、以降さっぱり再現できません。ああ、あのころのスピードをもう一度味わいたい……。

 とにかく、そんなこんなでできあがったのが「嵐のち晴れ、ときどきアンドレ」でした。

 ……なんだこのタイトル……。

 どの辺が幽霊で、どこがスポーツなのか、さっぱりわかりません。
 ただ、僕が優勝できたのは、このへんてこなタイトルのおかげであることは間違いないでしょう。
 意味不明なタイトルのおかげで、読者が思いの外集まりました。結果、地道に得点を重ねることになり、運良く優勝ができたというわけです。

 ちなみに、平均点で言えば、僕の作品よりも青々さんの作品の方が上でした。実際、とても面白い小説でしたよ。現在は高得点作品掲載所から削除されているのが残念ですね。
 それから、たくさんの感想をいただいたために、後々感想をお返しするのに苦労しましたが、今となってはそれも良い思い出です。
 お返し感想は義務ではありませんが、極力実行するのが僕としてはおすすめです。

 作品を書き始めてから夏企画が終了するまでのおよそ一ヶ月間、かなり密度の高い創作月間だったと思います。
 自分の好きなものを書き、それをある程度認めていただき、いろいろな人の作品を読んで勉強させてもらったイベントでした。
 その後、執筆中の長編に復帰し、それも無事に完結させることができました。
 夏企画に参加することで、少しは地に足をつけて執筆できるようになったかな、と思います。

 イベントから得るものは人それぞれでしょうけど、作品を書くことも、他人の作品を読むことも感想を書くことも、すべて有意義なこととしてとらえることができたらいいですね。もちろん、いろいろな人から感想をいただくことも。
 身になることがいっぱいですから、ぜひみなさん、夏企画に参加してみてはいかがでしょうか?


 ―――


【昨年の夏祭りを担当されたmayaさんからのコメント】

 昨年、だいきちさんには、「三年前のあの夏――ほうきんさんと戦い、熱い友情を培ったエピソード」というテーマで原稿をお願いしました。上記の中にも出てきましたが、ほうきんさんの『金太郎の打ち上げ花火』も同じく高得点を取り、高得点作品掲載所の短編部門にあります。よろしければ、ご覧ください。

 また、じゅんのすけさんには、「熱く、濃く、それでいて喉越しさわやかで、ふと涙さえこぼしそうになる超絶エピソード」をお願いしました。無茶ぶりしすぎですw しかし、皆さんも、じゅんのすけさんの持つ葛藤によく共感できるのではないでしょうか。

 次回も、『夏祭り通信2008年度版』より、これまでの夏祭り企画で主催を務めてきた、kuroさん、遊弟さんの原稿を転載いたします。



<<夏祭り投稿期間まで  残り20日>>

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